考察

近頃考えてることとか。

「大人になっても漫画を読むということ」という記事を読みつつ、思考を遊ばせている。 記事の一節に これは青年漫画の話ですが、野球マンガ『ラストイニング』の主人公が、その天才的なデータ野球の「能力」によってチームを甲子園へと導きながら、その徹底…

月刊ERO-GAMERSに参加しています。

何度かお知らせもしているのですが、宣伝もかなえて自分の参加した回を明記しておきます。 第1回:『俺たちに翼はない』 第2回:『てとてトライオン!』 第3回:『スマガ』 下の二つはまだアップされてませんが、近日中にアップされる予定です。 第4回:『Su…

Fateのエンディングについて少々

一般論として『Fate/stay night』をクリアした後で、このゲームにおける3ルートのEDの関係性とか、バットエンドと正規エンドを分けるものとは何かというのは考えさせられるところだと思います。結局、このED間の関係性というのは全くのメタ解釈であって…

ある喪失の経験

世界は金色に輝いた、その瞬間から、色褪せゆく過去へと変じていく。ボクたちの手に残るのは、いつも取り返しのつかないものばかりだ。そんな悲観論がこの作品に似合わないと思うなら、すぐにチャンネル廻すことをお勧めしよう。これからボクが書くのは、過…

川上稔作品における時間観について

というわけで「川上稔」でググって100位にくるブログを目指して、もさもさと書こうかと思います。私はこのブログの別の記事で、川上稔の作品世界には一方的に前へと進行する時間と循環して繰り返す時間というものが存在していると書きました。私は、この…

終わらないエロゲーという幻想

この前にスマガの記事でメタ構造を有したゲームについて書いたのですが、自分がそれを書くにあたり前提としているものが抜け落ちていた。先の記事に挿入することも考えたのですけど、それをすると記事の主従が逆転してしまって、趣旨の不明瞭さが増すだけな…

『スマガ』のいわく言い難い感じを言語化する。

『スマガ』をプレイした後で私は精神的な残尿感というか、ある種の違和感を味わったんですね。この作品はとても良く出来ていて、シナリオにも不満はないし、何が原因なんだろうなとプレイ後ずっと考えていて、その答えが出たので少し書いておきます。 端的に…

ルルーシュはマザコンなのかファザコンなのか問題。

この記事のコードギアスのところを読みつつ、感じ方は人それぞれだな。と思ったのですが、やはりルルーシュの本質はマザコンではなくファザコンにあると主張したくなったので、記事を書いてみます。 けどググったら、マザコン派の方が断然多いんですよね。本…

そろそろヤンデレについて語りたくなった件。

『WHITE ALBUM』のアニメ化は、スクイズ辺りの流行を見て、今ならいけると思ったのでしょうが、そこで天いなに踏み切れないのが、葉の限界なのやもしれません。私は弥生シナリオが1シーンの美しさとしては一番好きだったりはしますけど、やっぱ主流は先輩な…

終わりのクロニクル①

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ作者: 川上稔,さとやす出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2003/06/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 115回この商品を含むブログ (136件) を見るA:というわけで、ググルさんで「川上稔」検索百…

ざらっとね

休日を思うままに出来ない人付き合いの悲しさ。 とは言え、予告した以上は『終わりのクロニクル(1)』について少し思ったことを書いておきましょう。計画としてはセルフでツッコミ入れたいから対話編形式にしたいとは思ってるですが、試しで別の方式に。 …

ヤンデレ小話

当初書こうとした内容は、視点キャラクターに如何に身体性を獲得させるか。あるいは『腐り姫』において五樹は如何に心中可能になったか。というものだったんですが、どうにもならなかったので放棄。 結局、自分はエロゲーで視点キャラクターに感情移入しない…

『デスノート』から『コードギアス』へ

『コードギアス』くらい押さえとくべきなんだろうなぁ。と思い、日曜の再放送を観賞してたんですが、結局我慢できなくなってTUTAYAで最終話まで借りてしまいました。 全体としては、凄まじい投げっぱなしを含めて中々面白かったですね。見る前は、アニ…

ラノベに見る邪悪ヒロインの不可能性

征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)作者: 神楽坂淳,鈴羅木かりん出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/01/25メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 132回この商品を含むブログ (41件) を見る『征服娘』を読みました。方々で感想など見ながら、淡い期待を抱いてい…

リトルバスターズ考察における現在・その2

自分の書いた考察で後から読んで一番失敗したと思ったのは、夢オチに対するフォローが不完全だったことなんですよ。ここで言う夢オチというのは尾張小牧ネットワークさんの考察にある、来ヶ谷ED2までを全て夢世界の中に内包する説で、個人的には総夢オチ説と…

リトルバスターズ考察における現在・その1

このサイトのアクセスの稼ぎ頭は、未だリトルバスターズの考察なので、少しフォローがしたいなと前々から考えてはいたんですよ。これから考察する人の助けになったらいいな、というのもありますし。 ただ他の人の考察に文句をつけるみたいなのも嫌だな思って…

他者性と倫理コードという思い付きの残骸

なんとなく『腐り姫』を再プレイしてたら*1樹里って自分の中でヤンデレと邪悪ヒロインのボーダーにいると感じたので、感覚に理屈をつけようと思ったら、最終的にヤンデレと邪悪ヒロインの差が分かる人と分からない人がいるのは何故なのか、という問いに帰着…

奈須きのこ作品に関する小話

「奈須きのこ考」なるものをチマチマ書いてたら、長くなりすぎた上に面白くないという二重苦を体験したので、話を細切れにして誤魔化す。 まあ、本当にカッチリしたノベルゲーの話を読みたい人は仮想算術の世界とかで読んでください。 さて今回の小話は、『…

デスノートについて思うこと

さて、指摘されているように夜神月には、第二部において敗北する物語上の必然性が乏しい。結局は大場つぐみの頭の中にしか真相は無いにしても、その理由を考えるのは、小ネタとしては悪く無いと思う。 逆算して考えるとすると、最終場面でニアが言う「自分た…

セカイ系ヒロインとしての玖渚友

ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス) [ 西尾 維新 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 1,166円この前の記事を読んだ友人に、玖渚友が戯言使いの世界を変換してるように…

何故、巴里は閉鎖都市なのか。

閉鎖都市巴里〈下〉―都市シリーズ (電撃文庫)作者: 川上稔,さとやす出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2000/01/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (22件) を見る閉鎖都市巴里〈上〉―都市シリーズ (電撃文庫)作者: 川上稔,さとやす…

キャラクターが病むということ・傍論

この記事なんかも、ある意味では同じことを言ってるのかなと思う。より外部的な部分から規定しないと、キャラクターは病んだりしないということ。 というよりは、キャラクターの定義の仕方を変えると、キャラクターは原則的に病んだり出来ないのかもしれない…

キャラクターが病むということ

序文でも書いてあるように、「キャラクターが病む」という言葉の意味を探ることから、キャラクターの内面性についての考察を進めます。 まず、キャラクターとは何なのだろう。日本語にすれば登場人物になるこの言葉は、日常でもしばしば使われるようになった…

キャラクターが病むということ・序文

この記事を書いた時、自分の頭にあったのは、「公」と「私」みたいな使い古された道具で、邪悪ヒロインを説明できるのではないかということだった。 つまり、その二つの区別が存在しないことが邪悪ヒロインの持つ、ある種の純真さの理由であり、そういう日常…

「リトバスの世界観について」への補足

よく考えると、『ONE』を未プレイな方も沢山いるわけで、説明が足りなかったと反省しています。作品レベルとしての考察は、既にとっぽい。さんがまとめてくださってるので、自分の考えだけを述べると、現実への対抗軸として存在する虚構として、「夢世界」も…

リトバスの世界観について

どういう考察を書くか悩んだ末、少し作品レベルを超えた領域に踏み込むことにしました。*1 夢世界とは何か、という問いに答えるのがこの考察の目的なんですが、その前に一つの謎を考えてみたいと思います。 夢世界全体で最大の謎は、棗恭介の存在です。八人…

来ヶ谷唯湖

色々と考えたり、他の人の考察を見たりもしたんですが、ループの発生が6月20日である理由を思いつく事ができませんでした。来ヶ谷の記憶の欠落の始まり、学校での花火、その翌日の告白、どれも順当にいけば20日前に起こる可能性のあるイベントです。 修学旅…

能美クドリャフカ

このシナリオの考察は、基本的に2chのテンプレで問題無いと思うので、筋肉エンドとクドシナリオの方向性について書こうと思います。 筋肉エンドの一番の問題点は、これを正当な世界観に入れるべきかに尽きる。来ヶ谷唯湖が真人の洗脳にかかり難いという場面…

三枝葉留佳

このシナリオの考え方は二種類あります。一つは、二木佳奈多を「双子の絆」的な概念で夢世界の例外的な存在だと捉える方法。もう一つは、夢世界の中の事象と捉えて、葉留佳の駒であるとする方法です。あまり支持されない気もしますが、後者だとして考察を進…

神北小毬

考察好きの憩いの場とでも言うべき小毬シナリオ。 困った時は「実際には小毬は知っているが、トラウマで記憶が抑圧されている。しかし、無意識下で夢世界に干渉うんぬん」で、説明がつくから実に楽です。 小毬シナリオは色々と絵本も含めて暗喩的なモチーフ…