2007-01-01から1年間の記事一覧

『閉鎖都市 巴里』に関する一考と来年の予定

色々あって、川上稔の作家性に関する話は来年に持ち越しですが、基本的な骨子だけ少し発表して、巴里の話題に移ろうかと思います。 AHEADシリーズにおける「9・11」の影響をどう見るか、という今年の夏の友人との談話が根本にはあるんですよね。 シリーズ…

朝霧の巫女(5)

朝霧の巫女 5 (ヤングキングコミックス)作者: 宇河弘樹出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2007/12/27メディア: コミック購入: 2人 クリック: 96回この商品を含むブログ (81件) を見る他にすることがある気もしますが、年の瀬は日瑠子様にハァハァして愛国…

とくまでやる

とくまでやる (徳間デュアル文庫)作者: 清涼院流水,牛木義隆出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2004/08/05メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (47件) を見る先の記事でああ書いたものの、近頃のは全部カバーしてないと思い、とりあえず一冊読…

鬼に笑われよう

来年は清涼院流水の小話を、JDCというよりはトップラン辺りの模索というか迷走の意味性を考えるみたいなのをしたい。 大まかな枠は、作家と作品世界の距離感がある時点から自覚的に処理されるようになって、その自覚と前後してライトノベルにおける多作の…

桜井光について思うこと

桜井光のキャリアの全てをプレイしたわけではないから断言は出来ないけど、Liarsoftで出してる作品だけで、基本的な方向性は測れるとは思う。 嘘屋でのデビュー作である『ANGEL BULLET』は、一人で全編を担当してないせいもあって、今となってはパイロット版…

敗北について

奈須きのこ関連の記事を面白く出来ない。自分の筆力が恨めしい。 いや、別に「Fateは文学」だと本気で考えたことは私も無いわけだけど、作品を表面だけ眺めたって純粋なエンターテイメントを目指したにしては、余計なものが多いのも確かだとは思う。*1 まあ…

奈須きのこ作品に関する小話

「奈須きのこ考」なるものをチマチマ書いてたら、長くなりすぎた上に面白くないという二重苦を体験したので、話を細切れにして誤魔化す。 まあ、本当にカッチリしたノベルゲーの話を読みたい人は仮想算術の世界とかで読んでください。 さて今回の小話は、『…

君とひみつの花園(2)

君とひみつの花園 第2巻 (花とゆめCOMICS)作者: 林みかせ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2007/12/05メディア: コミック クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る歌舞伎の惣領の座のため女子高に女装して潜り込んだ少年と、図らずもその秘密を知っ…

今月はチビチビとした更新も増やしてみる。

無念

Landreaall (11) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)作者: おがきちか出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2007/11/24メディア: コミック購入: 15人 クリック: 27回この商品を含むブログ (44件) を見る 渾身の『Landreaall(11)』の感想書いたら、見事に消えた。 …

「Fateは文学」をフォローしよう

遥か彼方の彼方から 「Fateは文学じゃない」という記事を読んで、実に正論だと思ってたんだけど、アクセス数上昇を目指し、言葉を弄してみる。 まあ、マジレス始めると、「文学」って何よ?という深い方向にいくらでも進めるわけですが、そんな泥沼は遠慮願…

実録・現在の錬金術

[rakuten:ubook:10316192:detail] たまには時事ネタを取り上げてみようかと思い立ったので、一つ小話を。 さて、知ってる人も多いかもしれませんが、パチンコには特殊な景品換金システムがあります。まあ、野暮な話が沢山あるのはスルーするとして、そのシス…

ヤンデレブームを振り返りつつ

さてヤンデレブームも下火です。まあ、盛者必衰の理とも言うように、いつかは辿る道なわけで、それ自体は悲しむには値しません。 世間的な認知を受けて、今までは企画段階で落ちていたヤンデレ達が、日の目を見る可能性が確実に増えるだろうと考えれば、十分…

デスノートについて思うこと

さて、指摘されているように夜神月には、第二部において敗北する物語上の必然性が乏しい。結局は大場つぐみの頭の中にしか真相は無いにしても、その理由を考えるのは、小ネタとしては悪く無いと思う。 逆算して考えるとすると、最終場面でニアが言う「自分た…

徒然と

我ながら、予告が守れてない。野梨原花南や巴里の話を載せれてないし、fateとデスノにセレナリアとルーズな本性がにじみ出てますね。 とりあえず、セレナリアの話は、桜井光の話にまとめて出そうかとは思います。他のも、今年中には形を付けて、新年は清々し…

赫炎のインガノック・雑感

赫炎のインガノック ~What a beautiful people~出版社/メーカー: Liar-Soft発売日: 2007/11/22メディア: DVD-ROM購入: 1人 クリック: 126回この商品を含むブログ (14件) を見る喝采せよ。喝采せよ。 というわけで、遅れながらも『赫炎のインガノック』を全ク…

セカイ系ヒロインとしての玖渚友

ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス) [ 西尾 維新 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 1,166円この前の記事を読んだ友人に、玖渚友が戯言使いの世界を変換してるように…

セカイ系について思うこと

おいおい、今更セカイ系かよ。時代は「決断主義」で「サバイヴ感」だぜ。という意見もあるだろう。それはそれで結構なことだ。 有用な道具だと思えば使えばいいし、私みたいに魅力を感じなければ、他の言葉をこねくり回せば事足りる程度のことに過ぎない。自…

forestは文学。腐り姫は芸術。サフィズムは舷窓。

ANGELBULLET出版社/メーカー: Liar-Soft発売日: 2004/10/01メディア: DVD-ROM クリック: 33回この商品を含むブログ (10件) を見るこのタイトルながら、やっぱりは今は桜井光を押さなきゃなと思ったので。DL販売されている『ANGEL BULLET』の話を。 誉めよ…

今後の予定

次は「forestは文学。腐り姫は芸術。サフィズムは舷窓。」というタイトルの予定。 その次は、「奈須きのこ作品における基本構造から、完全版Fateを妄想する。」か「セカイ系について思うこと」か「L王朝の簒奪者、夜神月の悲劇」の三本が待ってるとか、待っ…

花の名前(4)

花の名前 第4巻 (花とゆめCOMICS)作者: 斎藤けん出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2007/11/05メディア: コミック クリック: 8回この商品を含むブログ (29件) を見るめでたく四巻にして完結を向かえた本作。全体としては、しっとりとした中々の良作だったとい…

何故、巴里は閉鎖都市なのか。

閉鎖都市巴里〈下〉―都市シリーズ (電撃文庫)作者: 川上稔,さとやす出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2000/01/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (22件) を見る閉鎖都市巴里〈上〉―都市シリーズ (電撃文庫)作者: 川上稔,さとやす…

とは言え解散してるしな。

Something Orange- ダウンロード販売は神! 上の記事を読んでて、どうしても居酒屋対談 時間のムダ 八回目を紹介したくなる。信者のサガな気もするけど、この対談好きなので、再開してくれないかなと思うんですよね。要望のメールが沢山いけば、再開も不可能…

BLACK BLOOD BROTHERS

BLACK BLOOD BROTHERS〈8〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌 (富士見ファンタジア文庫)作者: あざの耕平,草河遊也出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2007/10メディア: 文庫 クリック: 30回この商品を含むブログ (51件) を見る『都市の歩き方』が来…

未来日記(4)

未来日記 4 (角川コミックス・エース 129-8)作者: えすのサカエ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10/26メディア: コミック購入: 4人 クリック: 38回この商品を含むブログ (132件) を見る評価の難しい巻。まあ、雪輝の萌えキャラぶりとか、何このカオル…

森博嗣・西尾維新について思うこと

四季 冬 Black Winter (講談社文庫) [ 森 博嗣 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 637円クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,take出版社/メーカー: 講談社発売…

続・ライトノベルの話あれこれ

昨日の記事には、具体的なライトノベルの文体の話が欠如してた。結局、よほど自分が好きな作家でもない限り、文体の話をするために読み返さないし、それで誰かと文体の話で盛り上がれるわけでも無いので、やる気が欠けるんですよね。 本当に意味ある何かをし…

ライトノベルの話あれこれ

月末に向けて、防衛線を張り巡そうという試み。定義の話は個人的に興が乗らないので、どっちにしても今更だけど、文体論の話を少ししてみる。 元の議論そのものは、ライトノベルの文体は、想定された読者の読みやすいように表現が収束する傾向があるので、文…

ライトノベルの読み方の話

本の読み方なんて千差万別、いちいち人にアレコレ言われることじゃないと言われれば、その通りなんだけど、別に読み方なんて道具なんだから、レパートリーが多くて困ることも無いだろうと思うので、少し書いてみる。 一つ目は当然、ストーリーの展開に一喜一…

二日分の記事を削除して、一度仕切り直そうという結論に至る。好きに記事を書く自由はあるにしても、一度でも不特定の人へ発表した記事を削除する自由なんてものは発信者には無いので、それをあえてするからには、読むに足る考察をキッチリと書きたいところ…