朝霧の巫女(5)

朝霧の巫女 5 (ヤングキングコミックス)

朝霧の巫女 5 (ヤングキングコミックス)

他にすることがある気もしますが、年の瀬は日瑠子様にハァハァして愛国心を萌やすんだと決意したもので。
感想を言えば、今年最後の拾い物って感じかな。正直な話、宇河弘樹を見くびっていたと思う。
連載の最後の方を真面目には読んでなかったというのもあるんだけど、連載時の印象では自身のイマジネーションを漫画に定着出来ていないというか、技量が足りていなかったように思えたんだけど、五巻を読めば、足りなかったのは時間だけということなんでしょう。
まあ、漫画裏の作品説明を見ても分かるように「ラブコメ」など五巻にはありません。あるのは漫画家が自分の納得できるまで長い時間をかけて創り出した高密度の幻想と、人の世を越えて生きる運命を背負った存在の喜びと絶望と執着の物語。
読んでて五十嵐大介の『魔女』を思い出した。もちろん純粋な漫画表現としては五十嵐大介の方が上なんだけど、表現で劣る部分はキャラクターの存在が補ってるというか、一部では同じくらいの情報量が一枚の紙に詰まってるような感じを受けた。
出色の出来だと思います。朝霧を終えた後で宇河弘樹は何を描くだろうと心配になってしまうぐらい四巻までとはレベルが違うので、一度切り捨てた人も読んでみる価値はあるかと。お勧め。