『真・恋姫†無双』のシステムについての外史
- 出版社/メーカー: BaseSon
- 発売日: 2008/12/26
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『恋姫†無双』から『真・恋姫†無双』に至るにあたって、最も変化があったのはヒロイン選択システムであるように思う。
無印において、メインヒロインである関羽、張飛、孔明とその他のサブヒロインの間には、選択システムが内包する明確な序列が存在していた。プレイヤーは定められた数のトークンを用いて、各々のヒロインのイベントを閲覧するわけだが、このときに支払うトークンの種類がメインとサブの間で分けられているのだ。*1この区別はビジュアル面からも提示されており、画面上方で悠然と三人で並ぶメインヒロインたちのアイコンと下方で芋洗い式に雑多と置かれたサブヒロインたちのアイコンの差は一見するだけで明らかなものだった。
EDにおいても、メインヒロイン三人の誰かか、あるいは最終的に解放されるハーレムエンドという限られた選択肢しか存在せず、ルート構造上、ハーレムエンドが最善手であると示唆されてはいるが、やはりメインとサブの区分は疑う余地がない。
しかし、『恋姫†無双』において、美少女と化した武将たちの間に存在するのは、立ち絵と付与された設定から生じる差異が主であり、そこから導き出されるのは主人公を中心したハーレム的な世界観である。そこでは、関羽や張飛であるからメインヒロインでなければならない。というような演義的な規定は、あまり説得力を持ったものではなく、*2作品のカラーとゲームのシステムは必ずしも一致していなかった。
この不一致を取り払い、トークンを一元的に統一し、アイコンの枠を全てのヒロインに対して同等とすることによって、ある種の平等を実現したところに、無印から真への洗練がある。言うまでもなく、別の方向性、コンシューマー版のような個別エンドの増強という選択肢もありえたのであり、ここに製作者と消費者のリファレンスの過程を幻視することも可能ではあのかもしれない。*3
などと長々と書いてみたが、選択画面の画像を二枚張れば最も短く終わる話ではあった。今月中にもう一回更新できるようにはしたい。