どすこい!女雪相撲

どすこい!女雪相撲 ~胸がドキドキ初場所体験~

どすこい!女雪相撲 ~胸がドキドキ初場所体験~

およそ三週間ぶりのご無沙汰。エロゲーマーとしての寿命を延ばそうと、八月の作品など始めたら、アウトプットが疎かになってしまいました。ホライゾンの新刊も読んだので、ぼちぼち更新していこうかと思います。
さてライアーソフト第27作目、理不尽ビンタADVと銘打たれたこの作品ですが、タイトルから分かるように馬鹿ゲーです。女相撲がメジャースポーツになった世界で、伝統に縛られた大学女相撲で理不尽に耐えながら主人公が成長していく様を描いたといえば聞えはいいですが、ストーリーはスポ根の王道こそ外さないものの凄く短めになっています。
その代わりに作品を支配するのは、システムレベルで込み込まれたちょっとした違和感です。要所要所でかまされる正当なツッコミに対するビンタ。ビンタによって上がるパラメーターの本質的な無意味さ。常に主人公の回想という形で語られる信頼の置けないストーリー。何よりも極めつけは、エロゲーなのにエロシーンに突入しないことを至上とするゲームデザイン。これらの違和感はつまるところ、プレイヤーが持っているエロゲに対する常識とのズレによって発生しています。
「常識」的に考えるなら、エロゲーはエロシーンの閲覧をゲームの目的にしているし、ボケに対するツッコミは会話の皮を被っていなければならない。ストーリーを語る視点は客観性を装うものだし、パラメーターはゲームの主要な部分と何らかの関係を持っているべきです。これらのセオリーをことごとく外していくことによって、エロゲーそのものでギャグをやるというのが、今作の目標であったと言えるでしょう。
こういう風に書くと壮大な作品のようですが、もとからギャグというのは重々しくやるものではないわけで、プレイしている最中のちょっとした居心地の悪さみたいなものを楽しむゲームだと思います。普通のエロゲーに飽きたときに、選択肢の一つとして真ん中くらいに思い浮かべるぐらいが丁度いい作品ですね。良くも悪くもライアー。普通の人には2800円でもギリな気がする。