ぶるまー2000

ライアーソフトの第三弾にして、ライアーのおける星空めておの初企画作品。
めてお以外にも岩清水、高尾、たたら、天野と初期ライアーのライター陣総出の清々しいまでのギャグ路線ではあるのですが、当たり前の話として十年笑える時事ネタなど存在しないわけで、今やると隔年の感は否めないでしょう。まずOPムービーがゲーマーズのCMのオマージュなんですが、デジ子も今のなってはいい思い出です。
個人的には作中で三国○発言を揶揄され、ファシスト扱いされている某都知事がまだ現役なところにシニカルな笑いを覚えないのですが、当時の意図と離れた笑いであるのは明白でしょう。EDの一つでロボットのヒロインが転入してきて主人公がヒロユキって呼ばれるのとか、当時は爆笑した記憶があるのですが、再プレイしたら失笑でした。
ストーリーを説明しておくと、ひょんなことから神のブルマーを履くことになった主人公の常葉愛が、十ケツ衆を擁する悪の秘密結社BB団の野望を阻止するために戦うというお話です。この説明を読んで人間が考え付くことは、ほぼ作中で網羅されていると考えてもらって結構です。しかも、それ自体がギャグにしか思えないほどの壮大な設定が存在します。
XPで動かすためにサウンドを切っての再プレイということもあり*1、作品全体については正確な判断は出来かねます。ただ作品における最重要アイテムがブルマーである以上、シリアスな場面が多少あっても基本的にはギャグ路線であり、ギャグは音楽などの間が大切な要素であることを考えると、今になって無理にXPなどでプレイする必要はないと私は思います。*2
ゲームとしては自由度のあるシナリオ選択とシナリオ内の選択肢という二段構えなのですが、重要な選択肢は見て分かるようになっているので難易度は高くありません。複数個ある隠しエンドの条件は、目当てのキャラの出るシナリオを選んで、好意のある選択肢を選ぶくらいのものです。二週すれば網羅できるのではないでしょうか。
隠しエンドへのルート*3では、めておが好きそうなドンデン返しなどもあり、月から地球を見つめる主人公に未来への萌芽を感じたりもしますが、どこまでも信者的な楽しみでしかないでしょう。
今にまで続くライアーのギャグ路線を定着させた作品の一つです。記念碑。そんな言葉がよく似合うエロゲかと思います。

*1:XP対応していないため、この処置をしないとフリーズ必至。

*2:なんらかのSEが挿入される部分が無音で経過するので、ギャグとして機能しないところは多い。

*3:そこまで隠されてはいないが。