ラブ・ネゴシエイター

今月四回目の更新ですね。明日は円谷が何をしてくれるのか楽しみでなりません。twitterに参入とか予想。我ながら白々しいので、本文に移ります。
ライアーソフトの第五弾。陰謀うずまく海上都市を舞台に、主人公の根越栄太がドタバタギャグを展開していくというライアーお馴染みのギャグ路線です。*1
けっこうゲームパートがゲームとして成立しているので、ライアーのこの路線では当たりに入る作品だとは思います。ゲームは主人公が交渉人ということで、交渉を模した簡単なタイピングです。三つの選択肢の中から正しい言葉を選んで打ち込むという過程を三回こなして一つの文章を作るのが意外に難しく、プレイ中最低でも一回はゲームオーバーになるのではないでしょうか。それを見越して簡単に再挑戦できる仕組みになっているので、ゲームしてるなという感触です。
ストーリーは基本的にギャグで、シリアスなパートもそれに引きずられ気味ではあるのですが、近頃のライアーの作品に比べるとメリハリは効いてる印象ですね。クライマックスが全キャラほぼ同一とはいえ、クライマックスになっているとは思います。
ギャグは軽い業界ネタが多くて、「一葉会」と「錠前組」が終わることのない不毛な戦いを続けていたり、派手な族車を並べて走ってるだけの「妖精連合」と昔の車をちょっと新しく改造しては引っぱり出してくる「衛屡腐」が抗争をしてたり、「虚言会」が夜逃げしたりと、今読むと皆なつかしい感じです。ゲームパートで「エロゲープレイヤーと 俺を いっしょにするな」と打ち込まなければいけなかったときは、時節柄もありますが何とも言えない気分になったりしました。
地味にエロシーンに力が入ってるのもこの作品の特徴でして、全ヒロインに陵辱シーンがあるというライアーに珍しい仕様な上、ゲームパートをパーフェクトでクリアすると、エロシーンをヒロイン側から見たバージョンが鑑賞できるようになるというボーナスとか付いています。第六弾が『腐り姫』であることも考えると、この頃がライアーソフトの一回目の円熟期なのかもしれません。ギャグ・ゲーム・エロの三つがそれなりにバランスを保って作品内で成立しています。
なかなかの佳作です。ライアーのギャグが好きならやっても損はないでしょう。
次はピンクの象でお会いできたら、いいですね。

*1:当時はその路線しか存在しなかったわけだけど。