紅殻町博物記

紅殻町博物誌

紅殻町博物誌

レイルソフトの第二弾。シナリオライターは前作と同じ希で、基本的なコンセプトも前作と同じ。流れゆく文字の列に身を任せ、作中に漂うレトロな雰囲気に酔いしれてる作品です。ペダンティックなところはありますが、作中での説明を含めて、雰囲気作りに貢献してると評価できる範囲に納まっているとは思います。
ストーリーは、主人公が「なくなってしまったモノたちの最後の憩いの場所」と称される紅殻町に、叔父の手記に残された奇妙な品々「珍奇物品」を求めてやって来るところから始まります。どこかに影を秘めたヒロインたち。珍奇物品によって巻き起こる不可思議な出来事。紅殻町に伝わる蒼い紅「本紅」の謎。連なる因果の先で、主人公がたどり着く結末とは。という塩梅の物語です。
決っして悪い作品ではないのですが、前作『霞外籠逗留記』の方が出来はよかったと思います。四ルート一括分割はいいとしても、その後に事実上の共通ルートをEDまで続けられては閉口せざるえませんよ。せめて彼岸と此岸で二通りくらいは用意して欲しかったところですね。物語を読ませることを重視するなら、出来るだけスキップを使わせない構成を目指すべきなんじゃないでしょうか。
あと、これほど一作目と同じ系統の物語を続ける必要性があったのかは率直に疑問です。勝手な意見かもしれませんが、せっかく新しいシステムを導入してレーベルを立ち上げてるのだから、もう少しは冒険があってもよかったと思いました。
個人的には三作目に期待と。