スマガ
- 作者: 大樹連司,津路参汰
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/10/18
- メディア: 文庫
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ちょっと卑怯な気もしたけど、絶対に破綻しえない設定の上に、見事にメタ構造を内在化してますよね。三十時間を越えるプレイ時間の果てに見たエンディングは、まさに「俺がヒーローだ」という高揚感を与えてくれますし、およそ文句の付けようのない完璧な終わり方の一例であるといっても過言ではないでしょう。
けど個人的な趣向としては、ちょっと好みからは外れたのも事実。私は、誰かの願いがかなう影には、救われなかったヒロインがいる方が美しい。という考えをするタイプなんですよ。
だから、完結した悲劇の底をこじ開けて、絶対にハッピーエンドで終らせるんだ。という主人公のモチベーションは分かるけど、共感はそれほどしなかったですね。*1声の有る無しとか、むしろ大好物の演出に入るはずなんですが、プレイ感としては、それほどでもなかった。
けど、世界のルールを蹴破って物語の結末へとひた走っていく感じとか、ループ物のお馴染みの無限経験値アップとか、個別に見るとかなり良くて、終った後は大満足だったので、贅沢な注文ではありますね。
どうも公式によると、そんな贅沢な注文をもかなえてくれるスペシャル版が出るみたいなので、少し愚痴などたれてみた所存です。
大作ではありますが、費やした時間の分だけプレイ後の快感もまた格別という作品です。時間が割けるのであれば、やってみるのも一興ではないかと思いますね。*2秀作。お勧めです。