CANNONBALL 〜ねこねこマシン猛レース!〜

CANNONBALL ~ねこねこマシン猛レース!~

CANNONBALL ~ねこねこマシン猛レース!~

七橋がDL販売ということで、なんとなくキャン玉の紹介文でも書いてみましょう。
ちなみに私は嘘屋信者で星空めておスキーなので、基本的には貶しませんが、それはそれとして、レースパートは凄く退屈なゲームです。ニコニコのプレイ動画は偉いと思うマジで。
さて、この作品を一言で称すなら、大人向けのジュブナイルという表現がピッタリな気はします。なんとも矛盾した表現ですが、純愛のエロゲーがあるのだから、まあ許容範囲なのではないでしょうか。
主人公であるフィリオが、相棒であるフォクシィと出会い、銀河を又に駆ける一大イベントであるCANNONBALLで優勝するまでを描く壮大なスペースオペラ。この物語の根幹にあるのは、愛とか希望とか友情とか、そういう青臭くものへの屈託を込めた承認です。
登場人物の中でフィリオは決して優れた人物ではありません。生まれた時に全てを持っていると称えられた「聖杯」の騎士、星の生命を操り幾千の時を過ごす「魔女」、過去四度の優勝を誇る「猟犬」に比べれば、大会の裏で蠢く陰謀に流されるままにレースに参加したフィリオなど、芥のようなものでしょう。
彼らと争い、時に陰謀に翻弄されながら、それでも決して諦めないフィリオ。彼に競争者の一人はこんな言葉を送ります。

フィリオ!おまえは細くてチビで弱くてかわいくて、勇気がある!
神がおまえを守るのは、あたりまえなんだよ!
なぜだと思う、フィリオ?
なぜお前は守られているのだと思う?
ほかのひとを守れるからだよ、フィリオ!
誰かの力になれるからだよ!
細くてチビで弱くてかわいくて勇気があるおまえだから、かわいそうな誰かの気持ちがわかるんだ!助けてやれるんだよ!

この甘ったるいおとぎ話を好きになれるなら、この作品を十分楽しめると思って間違いないでしょう。
私はそんな甘ったるいのが大好きなので、ヲタやってるわけなんですが。
あと思うのは、この作品がライアーソフトの持つ独特の味と星空めておというシナリオライターの個性が一番高いレベルで融合しているということですね。
ライアーソフトというのは、基本的に純粋な電子紙芝居を避ける傾向があって、いかにゲーム性を導入するかに心血を注いでる珍しいメーカーなんですが、星空めてお位のアクが強いというか完成度の高いシナリオを中心に置くと、どうしても演出面に特化する方向に行って、それはそれで素晴らしいんですが、他のライアーでの星空めてお作品は、ライアー色が薄いんですよ。
だから個人的には、「ライアー」の星空めてお作品と言えば、このキャン玉しかないだろうと思います。
今ならDL式2800円で、「地球」が遥か伝説になりしセイファート銀河を舞台にした一大スペクタクルが楽しめます。実にお勧め。