トガニ 幼き瞳の告発

何とか滑りこみで見たので、思ったことなどを。
おそらく、この映画はかなり「正解」に近い。何の「正解」かと言うと、見ている人間の口いっぱいにクソを詰め込むという手法のである。
こいつ何を突然言い出したんだ。と思う人が大半だろうが、ある一定の期間以上、フィクションと親しんだ人間は大なり小なり、フィクションを介して口にクソを詰め込まれることにある種の喜びを覚えるようになるものだと個人的には思っているという話である。
クソというのは要するに「現実はそんな甘いもんじゃない」という類の言説をフィクションの内部で肯定してくれる何かのことで、フィクションが虚構であるように「現実」もイマジナリーな尺度に過ぎないのだから、基本的に不毛なものには違いない。だが、フィクションの軽やかさみたいなものに不審を覚える年頃になると、そういうのを求めて作品を地面に叩きつけてみたくなるものだし、軽やかさを全肯定できた頃に戻るというのも中々難しい話である。で、気の利いたクリエイターか何かになると、そういうニーズに合わせて、予め用意したクソをこちらの口に放り込んでくれたりするわけだ。
そういうのの完成形として『トガニ』はあるように感じた。
映画を見た後に、口の中のクソをどうするか?
隣の国の人たちは、ちゃんと吐き出してみせましたよ。とかそういうお話。


要領を得なかった。今は反省している