『平グモちゃん−戦国下剋上物語−』
- 出版社/メーカー: Liar-Soft
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: DVD-ROM
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割と古くからライアーのゲームをやってる人が喜びそうな作品だったかなとは思います。
システム的には、ちょっと煩雑な分岐のあるADVくらいの感じで、主人公である松永久秀の人生すごろくを読んでいく作品になっています。兄貴分が「道さん」こと斉藤道三だったり、戦場でクリスマスを祝ってみたり、最後には天守閣で自爆したりと、松永久秀の逸話を知っているとニタりと出来るようになっているので、前知識が無いならwikipedeiaくらい読んどくと楽しさが増すのではないでしょうか。
けっこう分岐の数は多くて、長宗我部幕府が誕生するみたいな意外な展開とかもあったりするんですが、歴史ifものとしては全体的に描写が薄いので、物足りないかなという気はします。あと、松永久秀を主人公にした時点で仕方がないことなんですが、後半にいけば後半にいくほど落ち目度が増していってテンションはあまり上がりません。*1後半のあたりのイベントを埋めていく作業感と、主人公のままならなさがリンクして、何ともいえぬ世知辛さを漂わせたりはするのですが。*2
そんな中で、このゲームのおすすめポイントを挙げるなら、良くいえば癖が強く、悪くいえば性格が酷い、ヒロインたちということになるでしょう。
一番まともな人でも、己の姉の伴侶である主人公と逃避行のうち、良心の呵責もなく幸せに暮らしたりしますし、他の人たちも、人間を「官位」でしか見てなかったり、「宗教」のためなら暗殺を躊躇わなかったり、頭の中「金銭」で一杯だったりと、愉快な精神構造をしている人ばかりです。もちろん、ルートによっては多少はデレたりもするのですが、基本の軸は決してブレたりしません。そこら辺、作り手のこだわりを感じたりはしました。*3
楽しいちゃ、楽しい。どこまでもライアーであり、ライアーでしかない。そんなゲームでした。あと、ノブリンは可愛らしゅうございました。