めだかボックス 第103箱

また一月空けてしまったので生存報告を兼ねて、今週のジャンプの回の話を、珍しく即興で。
もし、自分の人生にチートが施されていたとき、、どれだけの人が困難な道を選ぶでしょうか。別の言い方をするなら、「イージー」と「ルナティック」の二つの難易度しかないような世界を前にして、前者をチョロくこなすのではなく、「(世界中の)みんなを幸せにする」などと言った達成不可能な狂気を目指さす人とは、どのような人なのでしょうか。
この問いを上手く処理するには困難がともないますが、よく知られているように、そのような問いかけを最初から無効にするためのテクニックがあります。

困難を達成する
どんな理想を謳おうと
本来 きみはただそれだけの人間なんだよ

絶対に「ルナティック」を選ぶキャラクターが、偶然にもその選択に見合う能力を持っていればいい。西尾維新がこの漫画において黒神めだかに施した「主人公」とは、そのようなものでした。
だからこそ、彼女たちこそが黒神めだかの敵でありうる。

私たちには 
それぞれの自我があり
個性があり
意志があり
事情があり
感情があり
過去があり
生活があり
そして何よりも自分があります

『自由であること』が『悪平等【ぼく】である以前に自分【わたし】であること』であるならば、この言葉で語られるものとは、平凡な私たち人類の在り様なのではないでしょうか。*1
だから、勝敗というよりは、紙面の中において黒神めだかの「自由」なるものを描くことが出来るのだろうか。*2というようなことが気にかかる。などと思った回でした。

*1:安心院さんが更にサバを読んでる可能性は否定できない。

*2:不在の形において描くことは出来るだろうけど。