境界線上のホライゾンのタイトルについて。

境界線上のホライゾン』というタイトルの「境界線上」というのは、彼らの母艦である武蔵が各国の決めた境界線上しか運行できないこと。そして、P-01sが人間と兵器の狭間いる存在であること。この二つの意味が掛かっていることは、2chでも言われますが、そこから外に出てない印象があったのではてなの片隅に書いておきたいと思います。それなりに意味のある観点なんではないでしょうか。
それだけだと2chの内容をパクっただけになるので、もう一つ加えるなら、それは自己と他者の境界線にホライゾンが立っているという意味もあると思います。
一巻の展開を見れば、ホライゾンに主体的な意志が存在しなかったことは明白ですし、キャラクターの自己確立というのは、終わクロの新庄運切、OSAKAの陽坂勝意などから連綿と続く川上稔の小説の重要なファクターなわけですしね。
個人的な考えとしては、川上稔を「戦後」というものに一定の関心を示し続けている作家として見ているので、占領された国土、分かたれた感情、それらを統合しようとする運動、という時にアイデンティティという観点を無視できないというのも大きいのかな。著者の小説にほぼ一貫する要素といえば、過去との接続ですからね。どういう処理をするのか、ホライゾンの今後を要チェックや。お粗末。