境界線上のホライゾン(1)下

なんかズルズル更新を怠ったので、とりあえず本の感想などを。
前作の主人公である佐山御言を曹操とするなら、今回の主人公は劉備と言ったところなんでしょうか。
川上稔の描く主人公は、ライトノベルの王道的な設定に反して、かなり職業戦士的な倫理を習得してる傾向があると思うんですが、今回の葵・トーリも自分の命はさっさと担保に入れるくせに、それで全ての出来事の責任を負おうともしないし、負えるとも思ってないところが面白いですね。
まあ、わざわざ学生を主人公にしてるだから、もう少し青くてもいい気がするけど、そこら辺は周りが群像劇的に処理していくのかな。
ぶっちゃけた話、読んでる途中でキャラクターと名前が何度かくっ付かなくなったのと、特有の描写で三次元的な戦闘シーンを書かれて頭が混乱したのは、ここだけの秘密さ。
個人的には、律儀に走ってくる聖下が一番の萌えキャラなんだけど、宗教を宗教として書く気がないなら、他のギミックでよかったんじゃないかと正直思う。これから重要になるのかもしれないので、最終的な評価は保留ですけど。*1
あと、なかなかOPムービーが始まらないエロゲみたいな構造をしてたりするんですが、今回は最終的に何ページになるのか、一日何時間も読書に裂けない身としては心配なところですね。

*1:別にドイツ三十年戦争にとって宗教対立は一つの側面に過ぎないわけだし、より大きく17世紀の危機を視野にいれてるなら尚更。