親戚の子と『もののけ姫』を見たら。

11才になる親戚の子とツタヤに行く機会に恵まれたので、『隠し砦の三悪人』を薦めてみたんですが白黒の時点で却下されて悲しかった。まあ、それで『もののけ姫』を借りたんですよ。親は借りてくれないんだそうですが、親戚ながら理解に苦しみます。無菌培養でも目指してるんでしょうか。それでいて『ラスト・フレンズ』は見てるらしいし。
やっぱ子供は画面への吸引力が違うなと横から見てて思ったんですが、最後まで見終わった時に彼女が「もう一度同じことしたら、意味無いのにね。」と発言したのを聞いて、宮崎駿の凄さを実感しました。
それは二十をとうに超えた大人が見れば、エボシが現代人の表象であることなんて自明だし、病人とエボシのシーンを見て、汝の隣人を愛せってことですね、分かります。とか言いたくなるじゃないですか。
だけど、そんな重層的な読みを習得していない子供にも、私が技巧で読み解いたものと本質的には同じものが伝わっている。私にとっては説教臭いオヤジであっても、彼がターゲットにしている年頃においては別の捉え方があるんだと、当然と言えば当然のことを学ばされた日でした。