チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

積んでたんだけど、読んでみるグイグイ来るというか、世間の評価に納得の一冊でした。
結局、良質のミステリーを支えるのはトリックではなくて、印象的な登場人物と度の過ぎない衒学趣味ということなんでしょう。新本格にドップリ嵌った身としては悲しい事実ですが、世間の評価の方が正しいとは思います。
一度読んだら忘れられないホームズと愛着の持てるワトソンを置き、その周りをキャラの立った登場人物で囲み、舞台も病院という手ごろな広さで区切って、医学知識と殺人事件を一つまみすれば、そこに出来上がるのは極上のエンターテイメント。
ここまで娯楽に徹すれば、トリックなんて些事ですね。愛すべきワトソンである田口先生の積み上げたものを、情け容赦なく崩していくロジカルモンスターの活躍を1ページ1ページ追っていけば十分で楽しいから、それでいいと思いました。
お勧め。