新年の抱負に変えて

晦日に某所で行われたイベントの四時の締め拍手の後で、修正する前提の記事を載せるなと突っ込まれてへこむ。その通りなんだけど、去年の内に上げときたかったんですよ。
その時の話として、川上稔は整合性の取れた設定を構築する作家に見えると言われたし、立ち読みした評論にも同じ旨のことが書いてあった。
そこに異論は無いんだけど、私が気になるのはグランドデザインというか、もう一つ上の構造の話なんですよね。
つまり、世界の数を六個として、時系列立った秩序を前面に押し出している以上は、六個の世界の総和として一つの大伽藍を形成するような、大きな物語が存在するべきだと個人的には思うわけですよ。
「隻腕の男」と「翼を持つ槍使いの女」あたりが、それに相当するんだろうし、確実に意識して処理してる部分なんでしょうが、自分の読んだ感想を言えば、川上稔は作品単体の出来と全体として調和では常に前者が重きを置いてるように見えます。
それが悪いわけではないけど、今の感じだと綺麗なグランドデザインは無理そうに思える。そこら辺が近年に気に掛かるんだけど、あまり賛同は得られない。
高望みが過ぎるということなのか。とは言え、作者が自分の好きな設定を走らせるために構築した箱庭に過ぎない。とかバッサリ切られるのは信者としては承服出来ないところなので、新シリーズ同じ視点で見ていきたい。ビバ川上稔
そんな感じで、新年もよろしくお願いします。