松永久秀

『戦国BASARA2英雄外伝 HEROES』の新キャラは彼だそうですね。戦国武将で一番好きなのは、この人なので嬉しいかぎり。世に名高い「三悪」を成し遂げた不出生の梟雄して、最後は自爆で締めるという悪の見本みたいな人です。個人的には下克上と聞くと、この人を思い浮かべますね。
詳しくはwikiでと言いたいところですが、戸部新十郎の『松永弾正』が載ってて、宇月原晴明の『黎明に叛くもの』が無視されてるのは残念。戦国BASARAなら、むしろ後者の方がイメージが近い気がするんだけど。
どういう話かと言えば、アサシーンの秘術を極め、自らの才のみで覇道を行かんとする松永久秀を中心に、同じ道を極めた兄弟子である斉藤道三、その道三に認められた明智光秀など戦国の世に燦然と輝く巨星たちと、あたかも彼らを照らす日輪の如く存在する織田信長との相克を主題に展開される歴史伝奇小説です。
この分野を書かせたら、現在の日本でこの人が第一人者と言っても問題無いでしょう。基本的に文章は読みにくいですが、著作を重ねるごとに少しずつ緩和の傾向にあるし、それを耐えて余りあるだけの放埓なイメージを持った小説を書ける人です。山田風太郎とか国枝史郎が好きなら、読んでみる価値は十分あるかと。

黎明に叛くもの (中公文庫)