境界線上のホライゾン2・下

読み終わりました。率直に言って、1100P超通しで戦闘パートというのは読んでる方のテンションが持たない。*1厚くするために厚くしたのかな、という印象は拭えない巻だったと思います。
この物語は一面においてトーリとホライゾンの物語であることは間違いありません。それは武蔵の人たちが背負う物語が、二人の物語と響き合うような形で書かれているということでもあります。今回はその二つの物語のバランスに難があったんじゃないでしょうか。
言い換えるなら、今回の問題は主人公のあり方の薄さです。葵・トーリの王の資質というのは、「不在」という形でデザインされています。*2彼のいないところで、武蔵の面々がトーリと自らを比べることによって間接的に表現される王の格が、他の二人の王に比べると分かりにくかった。それが全体をまとまりを欠いたものにしてしまった原因かなとは思います。
まあ、次に期待ということで。

*1:全て一気に読んだからだ、という意見は認める。

*2:彼のトリックスター的な振る舞いというのは、王ではなく個人としての性質なんですよね。