時事ネタらしきもの

いや『BLACK LAGOON』を読み返してたら、人身売買の話を少し書きたくなったもので。
この作品には「チャウシェスクの落とし子」と称されるルーマニア人の双子の殺し屋が出てくるわけですけど、これは別に完璧なフィクションではないというか、今でもルーマニアは二次的な「チャウシェスクの落とし子」をEU圏全体、むしろ世界全体に供給し続けているんですよね。
まあ漫画にあるように、ルーマニアが直接的な「商品」の供給地かと言えば、それは違います。今のルーマニアは形の上ではEU加盟の条件を満たせる程度の国力を持っている国なので、そういうのはもっと貧しい国、旧ソ連圏、具体的に例を上げれば隣国モルドバ共和国から連れてきます。*1
この両国って歴史的には同じ国だった頃もあったりして国境線がゆるいので、ルーマニアに「商品」を輸送するのは、それほど難しくないんですね。
そしてルーマニアに運びこめば後は楽です。なんせルーマニアはEU加盟国ですから、シェンゲン協定こそ実施されていないとは言え、西欧諸国に搬入するための潜在的リスクは非加入国とは比べものにならないほど低い。
この事実が、中・北欧からの児童・女性の違法な流入の増加を助長してることは確かだと思うんだけど、なかなか数字に表れる事柄でもないから、立証は難しいでしょう。増えてることは確実ではありますけど。
正直、この頃のEUの拡大政策は理解不能というか、結局は金絡みなんだろうとは思うけど、失望することが多い。ユーロへの切り替えの時に感じものは何だったんだろうなぁ。
まあ、アフリカの方がとかアジアの方がという意見もあると思うので、そこら辺は古いですが良さそうなのがあったのでリンクを張っておきます。読んでて暗くなること請け合いですよ。
性的搾取を目的とした児童の密輸

*1:拉致る場合もあるみたいだけど、食い扶ちが無いから結婚とか高給の仕事で釣るパターンの方が多いらしい。