未来日記(5)

未来日記 5 (角川コミックス・エース 129-9)

未来日記 5 (角川コミックス・エース 129-9)

結局、私自身がタイトルに惑わされていたというか、やはりデスノートの印象が強かったというか、作品の方向を正確に捉えられていなかったんだなと思う巻でした。
ルールありきの知的ゲームものとしては、完璧に破綻しているわけですが、ボーイミーツガールの一形態としては、中々のストーリーだったのではないでしょうか。
この巻に来て、二人の相互誤解が一気に広がってますよね。基本的には、主人公が間違った方向に覚悟を決めていくのを見てニタニタするというか。ユッキー逃げて、そっちは泥沼だよ。みたいな話なんですが、自分の中でタイムリーな展開ではありました。
我妻由乃という存在に対して「僕がいなくちゃ」という想いを抱き始める主人公は、ヤンデレを純愛と捉える層とパラレルな感じがするんですよね。
まあ、ユッキーは最終的に全肯定される気配がするので、読者批判というのとは違うと思うんですが、まだ日記保有者も沢山いますし、自分の抱いた幻想と実際の齟齬に翻弄される主人公に期待したいところです。
ツッコミ所も多かったですが、楽しめた一冊でした。