DDD(1)

[rakuten:book:11989459:detail]
この本は「面白い」本だ。当代きってのシナリオライターが書いた本作には、彼の物語における全ての要素――怪異・狂気・言葉遊び・倒錯などが全て存在している。
なのに、この作品は面白くない。それもたぶん確信犯的にだ。その理由を求める時、読者は全編を覆う著者の物語に対する「主張」の様なものを読み取ることが出来るだろう。
そして、それを識る事は著者の作品群だけでなく、現代の小説の位置を理解する上でも有益ではないかと私には思える。そういう意味で本作が興味深く面白い本なのは間違いない。
ただ、買う前に銀箱から出して、一章立ち読んでから購入の判断をしても損はしないと思いますけどね。